【嫌われる勇気】テスト返却後の接し方【勇気づけ編】
やる気を引き出す声かけ【勇気づけ】
先ほどの【勇気くじき】の逆を実施すれば勇気づけになります。
- 相手のヨイところを指摘する。
- 加点主義で物事をとらえる。
- 健全なゴールを設定する。
- 失敗に対して寛容である。
先生や親御様が前向きな声かけをすることで、
子どもの見方も前向きになっていきます。
それでは、詳しく説明させていただきます。
相手のヨイところを指摘する
私達日本人は、子どもの頃から家庭や学校などで
『ダメ出し』教育を徹底して受けているため、
人の短所、欠点を探すのは超名人級になっています。
しかし、人の長所、持ち味、魅力を見出す能力は十分に育っていません。
その証拠に、自分でも他者でも誰かひとりを特定して、
その人のダメな点とできるだけたくさん数え上げると、
8割から9割の人がダメな点を多く数えあげます。
しかし、実際にその行動の頻度を見てみると、じつに95%ほどがヨイ点です。
ところが私たちは、ヨイ点を『そんなの当たり前だ』とみなし、
目立たないために見逃してしまうのです。
ここで覚えておきたいことは、ダメな点にしろ良い点にしろ、
そのことに言葉をかけられたり注目されたりすると、
その頻度が増すということです。
『あそこがダメ、ここがダメ』と言われ続けると、
ますます萎縮してダメな行動が増え、
『ここができた、あれもできている』と言葉をかけられると、
ヨイ点がますます増えて、ダメな点が減っていくのです。
『注目・関心を向けられた行動は、その頻度が増える』、
これを心理学では、【強化】と呼びます。
加点主義で物事をとらえる。
自分が設定した基準から『どれだけできていないか』を計り、
その落差をみることが『減点主義』。
それに対して、相手の関心に関心を持ちながら相手の実力に合わせて目線を低くし、
どれだけ加点・得点したかに沿って対応するのが『加点主義』です。
別の言い方をすると、プラスを積み上げる方法で、
達成できている小さな成果を認めることです。
誰かが新しいことに取り組んだとします。
最初は慣れていないため、努力はするのですが、成果が見られません。
あなたもパソコンや車の運転などの技能を伴うことで体験したはずです。
上達している人を見ると、
『なんでこんなにできている人がいるのに、自分にはできないのだろう?』
ともどかしい思いをしたはずです。
しかし、だんだん慣れてくると、加速度的に技量が高まり、成果が見られるようになります。
努力と成果は、【図】のような関係にあり、初期段階にあっては、逆カーブを描くのです。
こんな時に、勇気くじきをする人は、高い立場から見下し、
『どうしてこんな簡単なことができないの』と指摘しがちです。
しかし、勇気づける人は、『地道に取り組んでいるね』と、
本人の努力を認め、ほんの小さな進歩・成長を見つけて、
『以前に比べてだいぶできるようになっているよ』と言葉にします。
健全なゴールを設定する。
アドラー心理学での鉄則として『高すぎる目標は勇気をくじく』ということがあります。
営業部隊に対して、とても達成不可能なノルマを設定する上司がいます。
セールス・パーソンは、最初から諦めて、意欲を失っています。
勉強でも同じです。
本人の実力を大きく超えた目標を与え、
『根性』を叩き込もうとしてお尻を叩くやり方をする人がいます。
このやり方は、当人の自己否定につながり、
生徒と先生、親の関係を悪くしてしまいます。
本人のやる気が出て、生徒と先生、親が信頼関係で結びつき、
モチベーションを高めるのに必要なのは、
当人達にとって高いハードルであっても、
努力すれば達成可能な目標です。
失敗に対して寛容である。
失敗したことを追求しすぎると子どもは失敗を隠すようになるか、
あるいは『失敗するくらいならチャレンジしない』という姿勢になってしまいます。
なので、宿題で間違っているのであれば、『今間違いに気づけてよかったね。』
定期テストであれば、『高校入試当日じゃなくてよかったね!』や
『どうすれば次のテストの失敗を防げるかな?』と伝えていただくことがお勧めです。
『どうすればよかったかな?』で学びの機会にする
『なんでできなかった?』と言ってしまうと詰められているように感じてしまいます。
なので、再発防止を目的として、『どうやって』を使いながら
学びの機会としてアプローチする必要があります。
例えば、
『どうすれば、計算ミスをなくせるかな?』
『どうすれば、点数が上がるかな?』など、
命令や強要すると嫌がり、反発するという
『心理的リアクタンス』という効果があります。
なので、自分自身で発言して、行動を改善する必要があります。
『勇気づけ』まとめ
大切な考え方としては、
①注目・関心を向けられた行動は、頻度が増えること
②成果が目に見えるまでには時間がかかるので、行動を認めること。
③失敗を批判するのではなく、学びの機会だと伝えること。
ヨネダ個別指導塾の特徴
ヨネダ指導塾のコンセプトは、『子どもに寄り添う塾』です。
なぜ『子どもに寄り添うか』というと、このアドラーの考え方をもとに作ったからです。
自分自身が小さい時に、子どもながらに傷ついた言葉があります。
『なんでできないんだ。』
『真面目にやってるのか。』
『何回やれば、わかるんだ。』
そんな言葉をかけられると、習い事でも勉強でも嫌になってしまうのももちろんです。
なので、当塾では、
『どうすればできるかな?』
『今間違いに気づけてよかったね。練習しよう。』
『人より時間がかかるかもしれないけど、できるようになってるよ。』
と前向きに取り組んでいけるような言葉を大切に指導させていただいております。
ご家庭でも前向きになれるような言葉がけをしていただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。